カンボジア世界遺産クバルスピアンとは
クバルスピアン(Kbal Spean・Bridge Head・Head of the Bridge)は、アンコールの北東、プノン・クーレンの西側に位置するクメール王朝時代のカンボジア遺跡地域です。この遺跡一帯は、砂岩の地層の川床や川岸に刻まれた一連の石の彫刻により構成されていて、「1,000本リンガの谷」または「千のリンガの川」として知られています。リンガ(男性器の象徴)をモチーフにした無数の石の彫刻が存在しています。彫刻の建造は王スーリヤヴァルマン1世(在位1002-1050年)の治世時代に始まり、ウダヤーディチャヴァルマン2世(在位1050-1066年)の時代まで続きました。しかし碑文には、彫刻のほとんどがウダヤーディチャヴァルマン2世の時代に建造されたと記されているそうです。又こちらの滝から流れる水は平野およびアンコール遺跡群を回った後、最終的にトンレサップ湖に流入しているそうです。神聖な遺跡ですね。
クバルスピアンまでの道のり
今回も私達はレンタルバイクで目的地クバルスピアンに向かいました。カンボジア・シェムリアップから北に50kmの場所にクバルスピアンはあります。中心地から少し離れるとのどかな風景が広がていて気持ちが良かったです。周辺には民家がポツポツと見えるだけで何もありませんでした。一定距離ごとに集落のような所はありますが、ガソリンスタンド等はないので、レンタルバイク・自動車で向かう方は注意して下さい。たまに民家や商店の先に瓶に入ったガソリンが売られているので、こまめに給油することをおすすめします。
森林に佇む、世界遺産クバルスピアン
クバルスピアンの入口へ到着
クバルスピアン遺跡はアンコールワット遺跡群に含まれているのアンコールワットの入場券で入場する事ができます。1日券20ドルですが3日券で40ドルなので3日券がおすすめです。入口で係員にチケットを見せて、いよいよ遺跡に突入します!
犬のガイドさんに出会う
入口からしばらく進んだところで一匹のわんこに出会いました。観光客慣れしているのか全く逃げる様子がありませんでした。不思議なことに、私達を導いてくれるかの様に前を歩き遺跡まで道案内をしてくれました。私達にはうってつけのガイド。
私達の少し前を歩き、定期的に振り返ってちゃんと待っててくれます。
クバルスピアンの林道をひたすら進む
ワンコのガイドさんとひたすら林道を進みます。自然の中を歩いて遺跡に向かうなんて冒険みたいで胸が踊ります!
美しい森の光景が続きます。歩いてて本当に気持ち良かったです。
樹齢何年ですかねー?巨木からの木漏れ日がとっても素敵です。
インド神話の神々が宿っていそうなとても大きな岩でした。神聖な遺跡に相応しいですね。
木漏れ日が本当に綺麗でした。クバルスピアンは遺跡までの林道も見所の一つです。
クバルスピアン遺跡前の滝
30分ほど山道を進むと滝が現れます。まだ遺跡は見えてきません。こんな場所に遺跡があるのかちょっと不安になってきます。ちなみに、この滝はシェムリアップ川の源流でそのままトンレサップ湖へと流入しています。
マイナスイオンを浴びながら犬のガイドさんとここで一休みすることにしました。
喉が乾いたのか滝の水を飲みまくるガイドさん。ありがとう!
密林に埋もれるリンガとヒンドゥー教の神々の遺跡
滝を上がった所に目的のクバルスピアン遺跡がありました。こちらの遺跡は無数のリンガの彫刻が中心でした。アンコールワットの様な巨大な建造物はありませんでしたが、10世紀以上も昔に、森の奥深くにこんなものが作られたと思うとワクワクします。中には川の水位が下がることでしか見られない碑文も存在する様です。上の写真はブラフマー神です。
クバルスピアンの岩床にある Sahasra lingas すなわち1,000本リンガ(リンガとは男性器を表しています)。
奥に見える彫刻は、ナンディに乗るシヴァ神とその神妃のウマーです。
浅瀬の流れに格子状に配置されたヨニ(ヨニとは女性器を表しています)
クバルスピアンの川岸にある彫刻。神ヴィシュヌがヘビの神アナンタの上に横たわってくつろぎ、彼の足元には女神ラクシュミー、ハスの花びらの上には神ブラフマーがいます。
帰り道までお見送りしてくれた、犬のガイドさん
帰り道も遺跡の出口まで案内してくれた、犬のガイドさん。入口の売店で何か食べ物でもあげてお礼をしようと思っていましたが、これまでずっと付き添っていた犬のガイドさんは最初に出会った場所に来ると突然立ち止まり、「ガイドはここまで、気をつけて帰ってね」と言わんばかりにこちらを見つめ森へ帰って行きました。
Informationクバルスピアン
入場料 | 20ドル アンコールパスと共通なのでチケットは事前に購入しておく必要があります。 |
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クバルスピアンの感想
遺跡の規模で言えば、アンコールワット・バイヨン・ベンメリ・コケーなどと比べると迫力はありません。しかし、森の中に遺跡を建造し信仰していた千年前の人々に思いを馳せるとロマンがありますよね。犬のガイドさんに出会った事もあり、クバルスピアンも印象に残る遺跡のひとつになりました。
Angkor Centre for Conservation of Biodiversity
後々調べてみるとクバルスピアンの近くには不正に取引された動物を保護する施設がありました。次回は是非訪問してみたいと思います。