旅にはつきものの食中毒。私達もここカンボジアで、洗礼を受けました!
カンボジアに来てから、こんなにも災難が続くものかというほど色々ありました。クレジットカードがATMに吸い込まれたり、遺跡で少年にお金を騙し取られたり、相方こうちゃんが遺跡で転んで捻挫したり、バイクで遠出してバイクが故障したり。その度に現地の人に助けてもらい、結果的に貴重な学びになったのですが、今回の食中毒は本当に過酷でした!
壮絶な食中毒症状
バイクトラブルがあった翌日、バイクを取りに行き楽しく過ごした日の夜、悲劇は起こりました。教えてもらった美味しいインドカレー屋さんで夕食を取り宿に戻って来ると、わずかに目眩がして胸焼けがしました。疲れが出たのだろうと思っていましたが、しばらくすると激しい吐気に襲われ、続いて腹痛が起こりました。同じくらいのタイミングでこうちゃんも腹痛を訴えトイレへ駆け込みました。
これは何かにあたったに違いない…。2人で交互にトイレに駆け込み、腹痛に悶え苦しみ、私はプラス嘔吐を繰り返しました。夜も遅く、なす術もなくひたすら苦しみ続けました。
こうちゃんは深夜になると落ち着いて眠りに落ちましたが、私の嘔吐は収まらず、一晩中吐き続けました。私は12年前にもインドに行った時ひどい食中毒で病院に運ばれたことがありましたが、今回はもっと酷い!途中過呼吸症状が現れ身体が痺れてきたので必死で呼吸を整えました。
朝になり、吐くペースは少し収まってきましたが、むかつきと頭痛と倦怠感は酷いものでした。座ってることすら出来ない状態です。
こうちゃんが起きてきたので、病院へ行くことに。彼は私よりも症状が軽かったようで、海外保険手帳に載っている病院に電話してくれました。ここではしっかり、保険が適用されることを確認。保険でまかなえるが病院でパスポートが必要とのことでした。前日お世話になったバイクレンタル屋さんにパスポートを預けたままだったのでレンタル屋のサエキさんとソンフォさんに連絡すると、快くバイクのキャンセルを受け付けパスポートを持ってきてくれました。
おふたりとホテルのスタッフさん達が手助けしてくれ、トゥクゥクで病院へ向かいました。時間は午後3時を回っていました。
人生初の入院がなんとカンボジア
グッタリした状態で病院に到着。病院はシェムリアップ空港の近くにあるロイヤルアンコールインターナショナルホスピタル。大きくて綺麗な病院で少し安心しました。診察室に案内され簡易ベッドに寝かされました。朦朧としながらも先生や看護婦さんや病院の設備を観察。
以前インドで病院に行った時は、医者は白衣を着ておらず誰が医者だか分からないうえ、廊下に並べられた鉄の寝台の上には注射器のキャップが転がっていて、私はそこで、大勢の野次馬インド人に囲まれる中、お尻丸出しで太い注射を打たれるという屈辱を味わったことがあったので…。でもそういった心配はいらない、きちんとした病院でした。
ここで医師から英語で説明があり、必死でリスニング。血液と便を検査。看護婦さんに点滴を打たれました。医師から電話を渡され出ると、日本語通訳の女性で状態を詳しく説明してくれました。なんと検査の結果、私達は赤痢に感染しているとのこと!入院することを強く勧められました。ひぇ〜、点滴打って薬貰って帰れると思ってたのに!着替えもお泊まりセットも何も持ってきてないしかなり躊躇しましたが、まだまだ具合は優れなかったので入院する事に決めました。
入院部屋に移るまでそのまましばらく待ちました。こうちゃんは別の部屋に寝かされていていましたが、目も覚めてしまったし、苦手な点滴で自由に動けないし、胸焼けは続いていて、精神的にかなりしんどい状態でした。必死で気を紛らわそうと、持ってきたリュックをあさると、英語の教材DUOが出てきました!セブ島留学中に頑張って覚えた熟語テキスト。旅が始まってからほとんど開いてなかった!喜んでテキストを開くと、視界はぼやけ意識は朦朧としているので全然読めず。指にも力が入らずテキストを床に落としてしまいました。少しして看護婦さんが来て拾ってくれましたが、いぶかしげな顔をされて恥ずかしかった…。
入院病棟の個室部屋
ようやく入院病棟へ移動です。移動式ベッドに移され寝たまま運ばれます。エレベーターに乗って上階へ。部屋に入ると寝心地のいいベッドに移されました。広くてテレビや冷蔵庫に専用トイレ&シャワールームまで付いてます!しかもフリーWi-Fiも付いてました。まるでホテル!iPadを持ってこなかったのが悔やまれました。
夕食の注文メニューを渡され選ぶ様に言われました。なんと日本語で日本食のメニュー!すごい!焼き魚定食やおかゆや蕎麦うどん。どれも惹かれましたが、まったく食欲が無いのでうどんを選びました。
快適な個室だけど、まだ吐き気と頭痛は続いていて、それを楽しめるような身体の状態ではありませんでした。心細くて、看護婦さんにこうちゃんはいつ来るか聞くと、もうすぐ来るけど違う個室とのこと!1人っきりの個室で入院は絶対や嫌だ〜と思い、同じ部屋にしてくれる様お願いしたら、もう一台ベッドを運んできてくれて、無事同室になれました。
ようやくこうちゃんもやってきて一安心。少し話してすぐに眠りに落ちました。しばらく経ってから医師と通訳の日本人女性がやってきました。医師に状態をチェックされ、通訳の女性から病状と入院と保険について説明を受けました。私は脱水状態がかなり酷かったようでした。そして心配していた入院費用は全て保険でまかなわれるとのこと。良かった〜。医者の先生はGUCCIのメガネに金の時計をしててかなりのセレブ風。ここが高級病院だということを益々実感しました。その後もうつらうつらテレビを見たりしながらまた眠りました。
病院の食事
夕食が部屋に運ばれてきて目を覚ましました。カツオだしのいい匂い〜!なんとか起き上がって口に入れましたが、数口食べて力つきました。久々の和食が美味しくて気持ちはもっと食べたいのに残念!こうちゃんは全て平らげ私の分も半分以上をペロリ。羨ましい…。その後も起きたり寝たりを繰り返しました。
翌日どうやって起きたか思い出せませんが、だいぶ気分が良くなっていました。フラフラして身体に力は入りませんが、吐き気は殆ど治まっていました。朝食が運ばれてきてビックリ。昨日夕食を注文した時に朝食の注文もしたので、フルーツの欄にだけチェックを入れていましたが、フルーツはマンゴーやランブータン等数種類あり、クロワッサンとパックの牛乳とお茶も付いていていました。ホテルの朝食みたい♪こうちゃんはフルーツと飲み物とキムチチャーハン。朝からいかつい…笑。冷蔵庫に入ってる100パーセントフルーツジュースも飲みました。
お医者さんが来て、体調をチェックして今日はどうするか聞かれたので夕方頃に退院することにしました。お昼ご飯には欲張って焼き魚定食を注文。
テレビを付けると、昨晩も放送されていた、パーティ会場で歌に合わせて人々がひたすら変なダンスを踊り続けている番組が続いていました。これを観る人なんているのか謎です。
またひと眠りして昼食タイム。弁当箱に入った美味しそうなサバ焼き定食。豪華〜!味も日本クオリティでした。
病院の設備
少し動けるようになって来たので部屋を出てみました。改めて見るとやっぱり綺麗な病院でした。点滴を引っ張って歩く初体験も楽しめるようになって来ました。
また少し寝てからシャワーを浴びました。ちゃんとした水圧で熱いお湯の出るシャワー。アロマ系のお洒落なシャンプーやボディーソープにボディクリームまで備わってました。本当に快適で高級ホテルみたい♡
退院手続き
看護婦さんに、処方される薬の説明を受け、治療の内容とそれにかかった費用が書かれた書類を もらいました。領収書を見て驚愕!な、なんと1人1700ドル(約21万円)!確かにハイレベルな設備にサービスも良いし点滴の量も多かったけど、とんでもない額です。保険に入ってて本当に助かった〜〜〜。世界一周旅行に行く人は絶対に海外力保険に入ってくることをお勧めします!保険の詳細についてまとめた記事はこちら。
夕食も食べて行けるとのことで、また、昨晩あんまり食べれず心残りだったうどんを注文しました。退院後は病院の救急車で宿まで送ってくれました。至れり尽くせり…
その後
無事宿に着くと宿のスタッフさん達が温かく迎えてくれました。その後しばらくは出かけず宿でゆっくり過ごし、贅沢してお腹に優しい和食などを食べて過ごしました。処方された抗生物質の副作用なのか、お肌がボロボロになり(多分、脂漏性皮膚炎)、体力が回復するまで1週間くらいかかりました。
原因ははっきりしてませんが、おそらくローカル祭で食べた屋台のタピオカジュースの氷かインドカレーレストラン カレーワラで食べた調味料のどちらかだと思います。何れにしても、食い意地を張って見境なしに食べるのは良くないですね…(^o^;)
いや〜、本当に死ぬかと思いましたが、無事に旅を続けることが出来て本当に良かった!
たて続けに色々なことが起こったシェムリアップですが、不思議と益々好きになりました。この土地を訪れたのには何か意味があるような気がしてなりません。ショック療法で色々なことを学ばされた気分です。前世からの縁があったのかな…。